chaokao materialとは?

〈chaokao=チャォカォ〉とは、タイ語で〈山岳民族〉という意味です。
山岳民族は自給自足で生活し、村の女性達は素晴らしい伝統的技術を持っています。
しかし近年は過疎化が深刻な状況で、技術熟練者である老人から若者へ技術継承の機会がなくなり、その貴重な伝統が消えようとしています。

〈chaokao material〉では、伝統を継承しながら村での仕事を作るため、村の女性達に伝統的な〈刺繍〉や〈織り〉を製作してもらい、その布や刺繍パーツなどの<素材>を販売しています。

risu
リス族

襟や袖にカラフルな布を幾重にも重ねた民族衣装を身に着けるなど、優れた色彩感覚を持ちます。
手織りや、細やかな手縫い、ミシンを使う作業など手先がとても器用です。
その中でも特徴的な技術は、紐を手縫いで作る事。その紐の先にポンポンをつけ、束にしたシッポのようなものは、お正月などの祭事で衣装装飾として使われます。

〈リス族〉手縫紐の作業工程
〈蜜蝋〉
芯となる〈綿紐〉
綿の紐を蜜蝋でしごき〈芯〉とする
芯を巻きかがる〈綿布〉
製作材料:蜜蝋と芯
綿の紐を蜜蝋でしごいている所
芯を綿布で縫い、巻きかがる
ひと針ひと針、芯を巻きかがっている
芯を綿布で縫い、巻きかがる
出来上がった〈手縫紐〉
手縫紐を束ねた〈衣装装飾〉
衣装装飾を身に付けてお正月ダンス

hmong
モン族

手刺繍や、ろうけつ染めを得意とし、刺繍は母から子へと受け継がれ、10歳頃には立派な技術を身に付けます。
お正月には、一年がかりで刺繍した民族衣装に身をつつみ、若い男女の出会いの場となる鞠投げや、さまざまな儀礼が行われます。

〈モン族〉手刺繍の作業工程
ろうけつ染め製作中(藍で染める)
ロウで柄を描いた部分
ロウで柄を描く道具
刺繍の様子
刺繍の前に布を切る
切った布を縫い合わせる
刺繍の完成
女性達はおしゃべりしながら楽しく刺繍
弟の面倒を見ながら刺繍の練習
お正月、若者達の毬投げ風景

karen
カレン族

〈原始織り〉という自らの腰に紐をかけ身体を使う手法の織りを得意とします。
カレン族の織機は、竹の棒のみでできており、道具はシンプルなのですが、それだけに自身の体の感覚がとても重要な役割を果たし、熟練者でないと織る事がとても難しい織りです。村の女性達は、穏やかな性格で、じっくりと長い時間をかけて織ります。未婚女性は純白に赤いラインの入ったワンピース、既婚後はカラフルなツーピースの衣装を自分で織り、身に着けます。

〈カレン族〉手織布の作業工程
綿の織り糸を草木で染める
竹の棒を組み、織りの縦糸を作る
組んだ竹の棒に縦糸をかける
かけた縦糸の棒を抜き、織機の完成
織り込む横糸を竹の棒に巻き付ける
家の手すり棒に縦糸を巻き付け、もう片方を自分の腰に着けて横糸を織り込んでいく
カレン族手織布の完成

chaokao projectとは?

chaokao projectは、〈山岳民族〉と〈作り手〉のコラボレーション促進を図っています。〈作リ手〉が〈山岳民族〉の手仕事による布地や紐などを素材として活かし、各々の目線からデザイン・製品化して新たな価値を吹き込みます。その仕組みを世の中に流通させ、製作の機会を増やす事で伝統継承の一助となるよう取り組んでいます。